「Vocation(召命)」という言葉は、むずかしく聞こえますが、一般的に言うと、vocation とは 「自分は何のために生きるのか」「どんな生き方が自分に合っているのか」という“呼びかけ” のことです。たとえば、「人を助ける仕事がしたい」「子どもと関わる仕事が向いている」「ものを作るのが自分らしい」。
そう感じる心の動きも、一つの vocation だと言えます。単なる「お金のための仕事」ではなく、「これをしていると、わたしは生きていると感じる」というのです。
宗教的な意味での vocation とは、「神さまからの呼びかけ」 という意味になります。神さまが一人ひとりに、「あなたは、この世界でどのように愛を生きますか?」と呼びかけておられる、それが召命です。
召命はいろいろあります。結婚して家庭をつくり、家族を大切にして生きる召命。司祭や修道者として、祈りと奉仕をとおして教会と人々に仕える召命。独身で、仕事やボランティアを通して多くの人の支えとなる召命。どれも神さまからの大切な呼びかけで、「どれが上・どれが下」ではありません。
大事なのは、「自分はどの道でいちばん人を愛し、いちばん自分らしく生きられるか」 を、ゆっくり探していくことです。祈りの中で、自分の心がどこで喜ぶのか、人の言葉の中で何度も出てくるテーマは何か、現実の中で与えられているチャンスは何か、そういうものを少しずつ見つめながら、自分の vocationー召命 に気づいていく旅が、信仰の中での「召命の歩み」です。
土曜神学院は皆さんにこの機会を提供します。